ことばの危機管理術
ちくま新書『その言い方が人を怒らせる-ことばの危機管理術』を読みました。
カバーの裏に、このように書いてあります。
謝罪の場面で真意が伝わらず怒らせる、誤解を与える、だらだらと長く続く言い訳文、空気の読めない発言、どこか変な敬語、…。こうしたコミュニケーションの行き違いを生じさせる言い方や表現は、ニュアンスや印象論で語られがちだが、実は言語学的な理由がある。本書では、「まずい」具体例を数多く取り上げながら、言語学の中でも文脈を科学する新しい分野である語用論を背景にその理由を分析していく。知っておきたい、日本語が陥りやすい表現の落とし穴とは?
おもしろい!と思いました。
ひとりで読みながら、くすくす笑ってしまうところもあります。(すごくまじめで学問的に豊かな書物なんですが・・・)
いくつかの具体的なことばの表現を例に挙げ、人がどう感じるかについて、「なぜ」が分析されているからですね。
私は、話すことが苦手です。
ことばの選択を誤ったり、ことばが足りなかったりして、誤解されたり、感情を害されたりすることがよくあるような気がします。
学生時代も、「言語学を勉強しているのに、コミュニケーションができないんだね」と言われて、そのとおりなので、ずしーんと落ち込んでしまったことがあります。
話しことばというのは、一度口から出てしまうと、取り消しができませんから、自信がないと、ますます話すことが苦手になってしまいます。
本を読んだだけでうまく話せるようになるわけではないのですが、原理原則があるんだ~と思うと、全く太刀打ちできない世界というわけでもない気がしてきます。
そして、忘れていけないのは、やはり、ことばは心から出てくるものだということ。
相手への思いやりや配慮というものなしに、小手先の技術だけでは「ことばの危機管理」はできないのですね。
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