ひなたの匂い
年末から、疲れて心がくじけたまま新年を迎え、もう1週間が経ってしまいました。
いろいろなことを考えながら、この現代の生活のペースについていけないのかなあと思っています。
何もかもが分刻み、秒刻み、多すぎる情報の嵐。
でも仕事もしなければ。近くの郵便局で郵便物を出すには、今日しかない。
いつものように少しの時間、鉢の植物をベランダの掃き出し窓に置いて、出かけました。
帰ってくると、その畳の部屋には、ほのかにひなたの匂いが・・・。
まだ寒い季節ですが、冷たい風の向こうから春がほほえみかけてきたような気がしました。
住む場所も違いますが、今は、子どもの頃より季節を感じることも少なくなりました。
昔住んでいた家では、障子を開けると、春は桜、秋はもみじ、冬は雪。
今の季節は、つららが下がっていたものです。
何か自然のペースに合わせて、ゆったり暮らしてみたい。
昨日、汚れが気になったつげの櫛を洗ってみました。
椿油を染ませて、ああ、この木のぬくもり・・・。
ずっと昔の人たちは、こういったものをひとつひとつ手仕事で作っていったのでしょう。
大量生産、大量消費。
経済成長は果たしたとしても、失ったものも多いのではないでしょうか。
その結果が今の社会。
ひなたの匂いを楽しむほどの余裕を持ちたいですね。