血の通った宗教
普段、ひとりでテレビを見ることはないのですが、娘と一緒に、ジョニー・キャッシュの半生を描いた映画を見ました。
再放送で、娘は2回目です。
もちろん、宗教がテーマではないのですが、20世紀半ばのアメリカ南部に生きる人々、家族、社会は、その背景であるキリスト教文化と切り離してはあり得ないのでしょう。
一見、キリスト教や信仰を否定しているような場面が多々ありましたが、形式的で冷たい教条主義的なキリスト教に対する真実の愛の勝利、とでも言うのでしょうか、静かな宗教性を感じました。
失われていた家族の絆が回復され、新しい絆が生まれ、育っていくラストシーンは感動的です。
現代日本のキリスト教も、時に、冷たく形ばかりの宗教になってしまう危険性はあると思います。
ずっと前、教会のメンバーが自死しました。
それまで兄弟、姉妹と呼ばれていた人が、その死を境に教会から切り離されてしまいました。
教会で葬儀が行われることもありませんでした。
でも、教会はその人を救うことができなかったのです。
聖書的と言いながら、何かの基準を設けて、人を裁いていることはないでしょうか。
イエスさまは、人間よりもっと人間らしく生きられた方です。
私たちは、血の通った宗教を生きているか、吟味すべきだと思いました。