着物はお荷物だけど
純和風の環境で育ったため、和服をたくさんもっています。
「たくさん」というのは、普段は洋服ばかりで、めったに和服は着ないのに、その割に多い、という意味です。
実家では、和服は土蔵にしまってあり、よい環境で保管されていましたが、今は、桐タンスに入ってはいるものの、マンション住まいですから、本来はメンテナンスに相当気を使わなくてはいけないところでした。
それが、和服は利用度の割に場所をとるとか、面倒とかいう思いがあり、とにかく家にいる時がほとんどなかったため、しばらく虫干しもせずにいたら、前から気になっていたカビがひどくなってしまったのです。
このままではどうしようもないので、全部出してチェックし、対応を考えているところです。
はじめは、だから着物はお荷物・・・とうんざりしていたのですが、今の暮らしには合わないものの、和服というのは実に合理的なものではないかという気がしてきました。
ほどいて端を縫えば反物に戻る、染め変えたり、縫い直したりして、リサイクルが可能。
1~2年たっても流行遅れで着られないことはなく、体型が変わっても身体に沿ってくれるし、娘へ孫へと引き継がれていくことができる。
長い年月をかけて、日本の気候や風土に最適な衣類として発達してきたはずなのです。
場所の問題もあるし、将来的には和服はタンスごと処分することになるかもしれません。
でも、今はちょっと立ち止まって考えてみたい。
洋服を買っては、まだ着られるのに流行遅れだとか、身体に合わなくなったとか、年齢に合わなくなったとか言って捨てていく今の暮らし方が本当に合理的なのか。
手入れをしながら、大切に、楽しんで和服を着るという生活は、何か心を豊かにしてくれるところがあるのではないでしょうか。
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