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A Ray of Hope

ワーク・ライフ・バランスと残業

「ワーク・ライフ・バランス」などという新語も、よく目にするようになり、書店をのぞけば、「残業なし」で帰る人=仕事ができるビジネスマンとうたった本がたくさんあります。
現実に、おつきあい残業やご奉仕残業で困っている人が多いからでしょう。

以前、小学校の教員であった義父が、「残業する人は能力がない」と言うのを聞いて、違和感を覚えたことがあります。
反論はしませんでしたが、すべての業種にあてはまるものではないと思いました。
意に反して残業せざるを得ない場合もあるし、よりよい仕事をするために残業する場合だってあります。

私が大学を卒業して会社で働き始めた頃は、同期で入社して、同じ部署に入った人の中には、短大卒や専門学校卒で、年少の人もいましたし、年下の先輩も何人かいました。
私は人事部ですが、総務部と同じフロアでしたので、最初は、とにかく電話をとる、お茶くみ、コピー取り、掃除、何でもやりました。
それは、職場の人間関係を良好に保つには必要だったし、おかげで、国内外の支社や工場のキーパーソンを覚え、彼らのキャラクターや相互の関係を把握できたし、自分の存在を知ってもらって、声をかけてもらえるようになることに役立ちました。

ところが、そうやって一日、人に頼まれた仕事や「気働き」ばかりやっていると、将来に向かう自分の仕事ができません。
また、時間を過ぎても、実は上司が会議室でタバコを吸っているだけ、とわかっているのに、先に帰ると機嫌が悪くなる、ということもありました。
それならと、外からの電話がかかってこない定時後は、じっくりと落ち着いてできる勉強や企画立案にあてました。
熱中しすぎて、電気を消され、真っ暗な中、守衛さんに「ごめんなさい」と言って帰ったこともあります。
そんな生活の中では、夜、寝ている間に企画が浮かんで、朝起きて、レポートにしたこともありました。
日曜日には教会に行きますが、独身でひとり暮らし、ワーク・ライフ・バランスはかなり崩れていたかな?

でも、そうやって仕事をさせてもらえたことは、とても幸いだったと思います。
単に時間で雇われるのではなく、自分が主体的に仕事をする、という感覚です。
結局、バランスというのは、仕事にこれくらい、生活にこれくらい、と分けて考えることではなくて、仕事も生活も、主体的に、生き生きと、楽しめるかどうかということではないでしょうか。

私は、一流にはほど遠い者ですが、仕事に関する時間の使い方について、おもしろいなと思った本がこれです。

早く帰って勉強するというのもいいですが、残業は何でも悪と決めつける必要もなさそうです。


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