競わない生き方
「ベンチャー企業の経営コンサルタントをしている公認会計士の平林亮子」と自己紹介する著者は、一般庶民から見れば、正統的エリート、雲の上の人です。
資格や能力や人脈がなければ、雇われない働き方はそう簡単にできるものでもなく、「好きなときに好きな場所で仕事をする」などということは夢のような話でもあります。
それでも、ストレスフリーな生き方をするために、著者が語ることは、一般庶民にも十分役に立つ内容だと思いました。
現代社会に生きる私たちは、あまりにも競争に組み込まれ、知らないうちに疲れ切っています。
私もがんばりすぎて、心をすり減らしてきたという経験があります。
5分でも10分でも無駄にしてはいけない、という焦り。
ミスをしてはいけないという緊張感。
ストレスのかたまりでした。
生きるのに大切なことは何か、ちょっと立ち止まって考えてみようよ、そう言われている気がします。
感謝すること、幸せを自覚すること・・・
書かれていることは、ごく当たり前のことなのですが、これから社会に出て行こうとする人たち、結婚と仕事を両立させていきたいと考えている人たちには、覚えていてほしいと思うことです。
私も、長い間つとめていた職場を辞めて、NPOと個人事業で再出発をしました。
週に5日は、自宅オフィスでの仕事です。
初期投資は必要でしたし、元が取れる見込みもないのですが、価値はあったと思います。
娘は小さい頃から鍵っ子でした。
今は、「おかえり」を言ってやれます。
今までさびしい思いをさせていたんだなということに気がつきました。
もう一緒にいられるのはそう何年もないかもしれませんが、かけがえのない時間を競争原理で失うよりは、今を大切に、楽しんでいけたらいいんじゃないかと思うようになりました。
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