人生観が変わるかな
NPO法人フローレンス代表、駒崎弘樹氏の著書 『働き方革命』
副題は、「あなたが今日から日本を変える方法」
働き方革命というタイトルですが、そもそも働くとはどういうことなのか、その意味や目的をとらえ直し、具体的な仕事のスタイルの改革法のヒントまで提示してくれています。
常々感じていたことですが、「働く」=「お金を稼ぐ」ととらえられていることが多く、たとえば、子どものPTA活動に参加すると、「働いているお母さん」「働いていないお母さん」というカテゴリー分けが存在し、「働いている人は平日の活動はできなくても仕方ありませんね」という雰囲気がありました。
PTAの活動の中には、多少の無駄もありますが、大切な仕事と言ってよいものも多いのに。
自治会の活動もそう。地域の安全や安心のために、心を尽くして動いている人たちがいました。
私もNPOに関わっていますが、極端に言えば、NPO=ボランティア=仕事をしないで遊んでいる(趣味?)というような見方をされることがあります。
駒崎さんが言うように、「自分の(自分のキャリアの、自分の家族の)ための仕事」から「自分を含めた社会のための仕事」へ、また、「仕事とプライベートを完全分離し、生活のために稼ぐことを『働く』と定義すること」から「プライベートを含めて、他者に価値を与える(傍を楽にする)こと全てを『働く』と定義すること」への転換をぜひ進めたいと思います。
私も、確かに「無駄な時間恐怖症候群」「常時多忙症候群」に冒されていました。
ゴールはどこにあるのかわからないけれど、泥の中を懸命にほふく前進し、そうやって泥まみれになっている自分は誰よりも努力している気がする・・・しかし不安はぬぐえない・・・ますますがんばる、そんな追い立てられるような働き方を自らに課していた気がします。
自分のライフビジョンを明確にすること、仕事のスマート化を図ること、これは誰もが自分なりにできることだし、必要なことだと思います。
私も自分のミッションステートメントを書き出していますが、もう一度見直してみようと思いました。
この本にあげられている「働き方革命」に関連するキーワードよりいくつか
・「成功」ではなく「成長」
・「やりたいことがない」ではなく「やりたいことは創る」
・「良い会社に行けば良い仕事ができる」ではなく「良い社会にするために良い仕事をしよう」
・「自己実現」ではなく、「社会実現(あるべき社会像の実現)を通しての自己実現」
・「私の市場価値は?」ではなく、「私が社会に与えられる価値は?」
・「目指せ年収1000万」ではなく「目指せありたい自分」
・「キャリアアップ」ではなく「ビジョンの追求」
・「自分探し」ではなく「コミットメント(参画・貢献・自己投入)の連続による自己形成」
・「ボランティア活動」ではなく「社会へのコミットメント(参画・貢献・自己投入)」
社会を変える、というのは、理想主義と映るかもしれません。
私の所属するNPOも「人々が、ともに希望に生きる世界をつくる」という壮大なビジョンを持っています。
「ミッション・インポシブル」を思い出しました。
常識的に考えて不可能な使命かもしれませんが、明確なビジョンを持ち、信頼に基づくチームワークを機能させ、知恵を働かせていくこと、道を創ること・・・「自分が、自分が」という生き方では決して得られないやりがいや充足感のために人生をかけるのもいいものではないでしょうか。
余談ながら、この本で新しく語彙が増えました。
p.174 乾坤一擲
なんて読むんだろう・・・と、娘に調べてもらったら「けんこんいってき」でした。
漢と楚の戦いに由来する故事成語で、さいころを投げて、天がでるか地がでるかをかけること、つまり、運命をかけ て大きな勝負をすることなのだそうです。
まだまだ教養が足りないなあ。
- 競わない生き方
- 元祖ポジティブ思考