別れの儀式
ペットが死んでしまったとき、燃えるゴミとして出す自治体もあるとか。
動物とは言っても家族と同じですから、それは抵抗がありますね。
それも動物葬儀サービスがたくさんある理由のひとつでしょうけれど、やはり人間の場合と同じように、遺族が心の整理をするために儀式は必要なんだと思います。
私が小学生の頃、ハムスターが死んだときには、父が小さな棺を作って、火葬してくれました。
犬が死んだときには、私はすでに実家を離れていましたが、父が埋葬してくれたようです。
父からの手紙に、「雨が降っていて、涙か雨か区別がつかなかった」と書いてありました。
きっと行き帰りも泣きながら埋葬したのでしょう。心の優しい人でしたから。
その犬は、毎日、父が帰宅すると、まだ姿が見えないうちから、自分の小屋に飛び乗り、塀から身を乗り出して、クークー鳴いて待っていました。
父は、癌の手術後、一時、退院したとき。
まだ再発がわかる前でしたが、自分の死も覚悟していたはずです。
いくつもの別れを経験し、それぞれの悲しみを心のひだにしまって、人は生きていくんだなと思います。
- 神様のふところに
- 『NPOを考える』