3万人の命に
何年か前、「お父さんが自殺した」と泣きながら電話をかけてきた友人がいました。
言葉がありませんでした。
私の父にも未遂歴があります。
そして、父はまた自分の妹が飛び降りようとするところにかけつけ、間一髪で止めたといいます。
私の場合は、つらいことがあっても、娘の存在が、生きることに引き留めてきました。
家族を残して自ら命を絶つほどに追い詰められる人たちの苦しさ、遺族の悲しみは想像に余るものだと思います。
朝日新聞の夕刊、ニッポン人脈記で「3万人の命に」という連載があります。
日本の自殺者、年間3万人・・・
この連載の3回目は、いのちの電話について。
半世紀前、ドイツからの宣教師ルツ・ヘットカンプさんの働きによって始まったそうです。
ところが、この方は、活動が軌道に乗り始めた頃に帰国されたのですね。
記者がドイツに電話をかけて聞くと、こう答えたとのこと。
「日本に根付かせるため、外国人の私は身を引かなければと、ずっと考えていました」
そして、今も日本のことを思い、祈り続けていらっしゃるのです。
無関心でいるわけにはいかないと思いました。
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