茶色の自転車
通学は電車だし、なくてもなんとかなるということで、娘は、日曜日に教会に行くときは、スポークが3本も折れ、いくら空気を入れてもすぐに抜けてしまうような自転車に乗っていました。
でも、それではさすがに危ないので、今年はクリスマスプレゼントに新しいのを買うことにしました。
ネットで自転車屋さんを調べて、ふたりで出かけました。
—いくらくらいするかな。
—ママチャリでいいや。
—何色がいいかな。
—茶色がいい。
—茶色の自転車って、見たことない気がする・・・。
そんな話をしながら歩いていると、娘が、「あー、****の袋を持っている人がいる!」と言うのです。
****は、ディスカウントショップのチェーン店。
知らなかったのですが、今日が開店らしい。
「行ってみようよ」と言うので、ちょうどお金を出しに行く銀行の向かいということもあり、じゃあ、ついでに寄ってみようということになりました。
銀行を出て、****へ。
すると入り口に「自転車扱い中」と書いたのぼりが立っているではありませんか。
自転車売り場を探すと、ああ、あった、自転車。
しかも、「茶色の自転車」が1台だけあるのです。
シンプルで、おしゃれで、値段も手頃。
冷たい風に吹かれながら、不思議に与えられたクリスマスプレゼントをころがして帰ってきたのでした。
- 捨て石になる
- サンタクロースっているんでしょうか